関係性構築の必要性ってなに?② -「成功循環モデル」と「7つの習慣」による“結果を求める関係性”-
前回ダニエル・キムの「成功循環モデル」を紹介しました。
成功循環モデルに従えば、
結果の質を高めるためには、
まず関係の質を高めることが
重要であると説きます。
結果の質を高めるためには、
まず関係の質を高めることが
重要であると説きます。
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質→関係性の質というように、
良い関係性が良い思考を生み出し、
良い行動を促し、
良い結果をもたらし、
さらに良い関係性を築くという好循環です(外側の円“Goodサイクル”)。
良い関係性が良い思考を生み出し、
良い行動を促し、
良い結果をもたらし、
さらに良い関係性を築くという好循環です(外側の円“Goodサイクル”)。
逆に関係の質が低いと、
メンバー間に不信感や不満が生じ、
思考や行動にも悪影響を及ぼします
(内側の円“Badサイクル”)。
メンバー間に不信感や不満が生じ、
思考や行動にも悪影響を及ぼします
(内側の円“Badサイクル”)。
組織やチームに当てはめて、
Goodサイクルを具体的に示すと、
Goodサイクルを具体的に示すと、
関係の質:互いに尊重し合い、一緒に考える
思考の質:気づきがあり、共有される
行動の質:自発的・積極的にチャレンジ・行動する
結果の質:成果が表れてくる
関係の質:さらに信頼関係が深まる
思考の質:良いアイデアが生まれる
といった好循環が生まれます
(野口2019:22をもとに一部修正)。
(野口2019:22をもとに一部修正)。
つまり、関係の質を高めることで、
メンバー間のコミュニケーションや
情報共有が活発となります。
メンバー間のコミュニケーションや
情報共有が活発となります。
確認しておきたいことは、
「関係性を保つ」ことが、
「人を気にしてはっきりものが言えない」や、
なれ合いとなる、
いわゆる「仲良しグループ」ではないということです。
「関係性を保つ」ことが、
「人を気にしてはっきりものが言えない」や、
なれ合いとなる、
いわゆる「仲良しグループ」ではないということです。
「言いたいことが言い合える関係性」
これにより思考、行動、結果といった
それぞれの質に影響を与えます。
それぞれの質に影響を与えます。
この「言いたいことが言い合える関係性」が
関係の“質”にあたります。
関係の“質”にあたります。
これは“信頼関係”が構築されて発揮されます。
ここで紹介したいのが、
皆さんもよくご存じで、
読んだことのある方もいらっしゃると思う
「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)です。
皆さんもよくご存じで、
読んだことのある方もいらっしゃると思う
「7つの習慣」(スティーブン・R・コヴィー)です。
コヴィー博士は、
「Win-Winの人間関係の本質は信頼である。
信頼がなければ、できるのは妥協だ。
心を開いてお互いに学ぶことも、
気持ちを理解し合うことも、
本当の創造力を発揮することもできない。」
(コヴィー,2016:389)
信頼がなければ、できるのは妥協だ。
心を開いてお互いに学ぶことも、
気持ちを理解し合うことも、
本当の創造力を発揮することもできない。」
(コヴィー,2016:389)
として、“信頼”により、
“Win-Win”の関係が構築され、
“本当の創造力”への発揮に導くとします。
“Win-Win”の関係が構築され、
“本当の創造力”への発揮に導くとします。
この“本当の創造力”とは、
相互の妥協ではない、
“シナジー効果”だとされており、
大きな成果へとつながることを示唆しています
(コヴィー,2016:491-500)。
相互の妥協ではない、
“シナジー効果”だとされており、
大きな成果へとつながることを示唆しています
(コヴィー,2016:491-500)。
この7つの習慣は、
現代の技術やスキルといったテクニックで
応急処置的な成功を試みようとする
「個性主義」ではなく、
それ以前からある、
人間の内面にある
人格的な成功の条件「人格主義」をベースに、
原則と習慣がつづられています。
現代の技術やスキルといったテクニックで
応急処置的な成功を試みようとする
「個性主義」ではなく、
それ以前からある、
人間の内面にある
人格的な成功の条件「人格主義」をベースに、
原則と習慣がつづられています。
そして、
直面する問題を解決するには、
問題をつくったときと同じ
個性主義のレベルでは解決できず、
新しいレベルの“思考”が必要だといいます。
直面する問題を解決するには、
問題をつくったときと同じ
個性主義のレベルでは解決できず、
新しいレベルの“思考”が必要だといいます。
この思考を
「原則を中心に据え、
人格を土台とし、
インサイド・アウト(内から外へ)の
アプローチによって、
個人の成長、
効果的な人間関係を
実現しようという思考である」
「原則を中心に据え、
人格を土台とし、
インサイド・アウト(内から外へ)の
アプローチによって、
個人の成長、
効果的な人間関係を
実現しようという思考である」
としています(コヴィー,2016:54-55)。
この問題解決とは、
人間関係をベースにした“結果”に他なりません。
人間関係をベースにした“結果”に他なりません。
つまり、
自分のインサイド(内側)を見つめ直し、
パラダイムシフト(見方を劇的に変えること)
するための習慣で、
個人、組織の成功となる
“結果”へと誘うことができるとするものです。
自分のインサイド(内側)を見つめ直し、
パラダイムシフト(見方を劇的に変えること)
するための習慣で、
個人、組織の成功となる
“結果”へと誘うことができるとするものです。
実は「成功循環モデル」と「7つの習慣」は
密接に関連しています。
密接に関連しています。
「成功循環モデル」では、
「関係」「思考」「行動」「結果」が
循環しながら影響し合っていますが、
「関係」「思考」「行動」「結果」が
循環しながら影響し合っていますが、
「7つの習慣」では、
「個人的効果性」と
「対人的効果性」が
バランスよく高まっています。
「個人的効果性」と
「対人的効果性」が
バランスよく高まっています。
「個人的効果性」は
「思考」と「行動」に関係し、
「対人的効果性」は「関係」と「結果」に関係します。
「思考」と「行動」に関係し、
「対人的効果性」は「関係」と「結果」に関係します。
つまり、「7つの習慣」は、
「成功循環モデル」の各要素を高めるための
具体的な行動習慣として捉えることができます。
「成功循環モデル」の各要素を高めるための
具体的な行動習慣として捉えることができます。
「7つの習慣」を実践することで、
「成功循環モデル」が回りやすくなります。
「成功循環モデル」が回りやすくなります。
「成功循環モデル」を意識することで、
「7つの習慣」が必要な場面や効果がわかりやすくなります。
「7つの習慣」が必要な場面や効果がわかりやすくなります。
このように、
「成功循環モデル」と「7つの習慣」は
相補的な理論だということがいえますね。
「成功循環モデル」と「7つの習慣」は
相補的な理論だということがいえますね。
結果を求めようとするならば、
関わる人への関係性を
意識することが必要であり、
この“意識”をもつことで
“習慣化”されていくのだと思います。
関わる人への関係性を
意識することが必要であり、
この“意識”をもつことで
“習慣化”されていくのだと思います。
コヴィー博士は言います。
「自分自身を高めずに他者との関係が良くなるわけがない。」(コヴィー,2016:55)
ここに、
ご自信のマインドへの気づきが
必要であることを
ご理解いただけたのではないでしょうか。
ご自信のマインドへの気づきが
必要であることを
ご理解いただけたのではないでしょうか。
良き人生、
良き成果といった“結果”のために、
デジタル社会のコミュ力UP術を
少しずつみていきましょう!
良き成果といった“結果”のために、
デジタル社会のコミュ力UP術を
少しずつみていきましょう!
≪さらに深掘り≫
「成功循環モデル」により
組織育成を論じた書籍も多くあり、
組織育成を論じた書籍も多くあり、
また、
ベストセラーとなった『7つの習慣』も、
ここではほんのごく一部しか紹介できません。
ベストセラーとなった『7つの習慣』も、
ここではほんのごく一部しか紹介できません。
したがって、
さらに深掘りしたい方は
こちらを参考になさってください。
さらに深掘りしたい方は
こちらを参考になさってください。
スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版, 2016、2020
[成功循環モデルの参考]
野口和裕『病まない組織のつくり方 他人事を自分事に変えるための処方箋』技術評論社, 2019
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